おにぎり ころりん すっぽんぽん

29歳で女を辞めて、33歳で社会人を辞めて、34歳でトランスジェンダーを辞めた私。私自身の想像をも盛大に超えて転がって行く私の人生。そんな中、パートナーの茉優を筆頭に、様々な他人を通して出会う私の闇たち。彼らに光を当てるように書いていけたらと思います。

忘れ物。続き

バンコクに着いたのが21時近かったので、

悩んだ末、
空港で寝ることに。

電車の中、空港の中、
人々のまとう空気がどこか冷たくて、
心と体が一気に萎縮していく気がした。

空港についてすぐからずっとWiFiを繋ごうとするのだけど、何故か繋がらない。
茉優に確認が取れないことには、
次の手も打てない。
スマホ、苦手...

1時間以上チャレンジして疲れてきた私は、
座っているベンチの上で靴を脱いで足を抱える姿勢に変えた。

そんな時、
横に座っていたアジア人に
「Are you Japanese?」と声をかけられた。

「Yes, why?」

「Here is public」


足を指差しながらそう言う彼の顔が本当に冷たくて、

再開後3度目の生理でフラフラする中、
ピアスのことを考えてバスで一睡もできず、
バスターミナルから振り落とされそうになりながらバイクタクシーに乗り、
どう乗り継いでいいか分からない電車に四苦八苦して空港にたどり着き、
疲れ切っていた私は、
もう泣きそうだった。

必死に

「Thank you」

絞り出した。

なんだか似たような感覚を知っている。

彼の言うことは正しい。のかもしれない。

だけど、、、

なんか嫌な感じだよ…

ん?それを言うのに国籍関係ある?


こうして、
見える世界が一気に敵だらけになった。
昨日までふかふかのソファみたいに見えていたのに…

(振り返って考えると、余裕のなくなった私がみんなを敵と見始めただけたのかもしれない。)


よし、瞑想しよう。

ベンチから下りて、

改めて靴を脱ぎ、

始めた。

さっきの彼の言うことは一旦置いておこう。
今私にとっては礼儀より瞑想の方が大事だ。

1時間の瞑想を終えると、
気持ちは少し落ち着いていた。

ガチガチに固められてきた体と心が、マッサージと茉優とのやりとりで大きく揺さぶられ、
最後の盛大な抵抗をしているように感じる、
苦しい瞑想だった。
同時に新たなる始まりの予感もあった。


こんな冷たい人ばかりの世界で、
ピアスが見つかるわけない、なんて
思いかけていた私だったが、

何とか持ち直せた。

 

 

きっと大丈夫。
やっぱりなぜだかそう思える。

 

 

その後、

乗り継ぎの台湾の空港で。

何とか早く茉優と連絡をとりたいと思うのだが、WIFIは繋がらない。

 

すると、無料のインターネットコーナーなるものを発見。

必死で茉優にメールを送った。

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夢中になりすぎて、

危うく飛行機に乗り遅れるところだった。

 

 結局、茉優は

2日間ネットの繋がらない環境にいたらしく、

意味はなかったのだけれども。

 

 

 日本に帰り、悶々とするなか、

バスターミナルのポリスカウンターに国際電話をかけてみたが、相手が何を言っているのか全く分からない…

 

チェンマイトゥーリストポリスのFacebookを見つけ、メッセージを送ってみるが反応はない。

 

茉優もパーイで友達になったタイ人に色々電話をかけてもらったが、

どこも繋がらないという…。

 

 残すは現地のみ。

 

 

 

→→→

 日本に帰って4日目。

茉優がパーイからチェンマイバスターミナルに下りているはずの日。

 

LINE電話がきた。。。

 

 「あったよ」

 

ふぅーーーーーーーー!!!!!

いぇーーーーー!ーーーーーーー!!ー!ーーー!!!!ーーーーい!

 

歓喜した。

世界がガラッと変わった。

明るく透き通った空気に包まれた。

 

 

ターミナルの人にはないと言われ、

リスカウンターでは全く英語が通じず、

泣きそうになりながら

例のご飯屋さんに行ったのだそう。

 

するとおじさんは

「ああ、あれね」

 

バスに乗った日の夕方見つけて、

家に持ち帰り、

保管してくれていた。。。

 

しかも、茉優の話を聞くと、

営業中にも関わらず、

取りに家に帰ってくれたという。

 

 

誰のなのかも

取りに来るのかも

分からないものを

保管しておいてくれるなんて、

 

どうしてこんなにも親切なんだろう。

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おじさんのおかげで、

私の目に映る世界は、

今、

あったかーーーいものになっている。