バンコクのイアルの家に来て、
今日で4日目。
初めての国、食べ物、文化、人間、彼らの当たり前、
すべてが新しくて、興味深くて、胸が踊る。
はずなのに、
そんな瞬間は数えられるほどしかない。
多くの時間は、日本にいる時と変わらず、茉優とのいざこざの中にいる。
楽しさや嬉しさをただ共有することができない。
一人だと出来ることが、二人でいると、
「何で自分ばっかりが?」
「もう少し積極的に動いてほしい」
「何で心から楽しめないの?」
と
出来なくなる。
私にとってコレは新しいことではない。
一緒に過ごす人間が、近ければ近いほど、
そうなる。
うっすらと思うのは、
自分の中に生まれた感情で、
カッコ悪さや恥ずかしさ、どう思われるんだろうという不安、から
相手に伝えられないことが積み重なっていくと、
二人でいる時間は何よりも苦しい時間になる。
二人でいるのに楽しめない悲しみは簡単に苛立ちや怒りに変わる。
関係が近い人間といると甘えてしまう自分。
自分がしたくないことを代わりにやってもらいたいという狡さ。
そんな自分を許せない自分。
近しい人間はより鮮明に自分を映し出す。
何度も何度も私の前に現れるこの感じ。
そろそろ逃げるのも潮時な気がしている。
苦しくて苦しくて、
笑えない毎日だとしても、
私が望む心地良さがこの道の先にあると信じてみよう。
取り繕わず、裸ん坊の一人と一人で、
世界を見たい。
一人で見るより、ずっと彩り豊かで生き生きとした光景を、
見られるようになる気がする。
私の中を見つめ続ける。
どんなに目を背けたくても。
茉優の方を向き続ける。
どんなに苦しくても。
遠い
このタイ滞在。
その意味を私はそこに求めたい。